認証支援部トピックス
1.ISO45001
労働安全衛生マネジメントシステムのことです。
職場内で発生する労働災害や健康被害から働く人を守るための取り組みで
一旦労働災害や健康被害が発生すると大変な費用と時間が必要となります。
会社の経営を揺るがすことになりかねません。そこで労働安全衛生の取り組みはこうしたら良いよと示されたものが、
このISO45001なのです。
ISO45001に取り組むことによって、
危険源の存在を調べ、十分な管理策として何が必要か決める。
労働安全衛生に関連した法律や規制として何があるのか調査する。
労働安全衛生マニュアルを検討して作成する。
法律や規制が守られているか評価する。
定められたルールが守られているか監査して確かめる。
問題が発生したら改善する。
ヒヤリハットの段階で予防する。
経営者に状況を報告して新たな指示をもらう。
このような活動を実施することによって意識改革が進むのではないかと思います。
ISO45001は、意識改革も意識して作られている気がしています。
2.IATF16949とは?
IATF16949は、自動車産業に供給される製品やサービスの不具合を予防し、ばらつきを少なくし、ムダをおさえるための品質マネジメントシステム規格のことです。
この規格は、自動車メーカーが製品やサービスを供給する企業に調達基準として採用しています。
IATF16949を取得すると自動車メーカーからの信頼が向上し、取引に有利になります。
対象となる組織は、自動車関連製品の設計・開発、製造、組立、取り付けを実施する会社やサービスを提供する会社が対象となり、顧客が決めた製品やアクセサリも対象になります。
ここで言う自動車には、公道を走る自動車、トラック、自動二輪車が含まれます。
アクセサリーには、フロアマット、ジャッキ、三角警告版、自動車搭載の工具類も対象になります。
この規格を取得するためには次の3つの要求事項をクリアする必要があります。
- 1)ISO9001:2015の要求事項
- 2)IATFの追加要求事項
- 3)自動車メーカーの固有の要求事項
自動車メーカー固有の要求事項は、自動車メーカーのWebサイト等を通じて公開されています。
またフォード、GM、クライスラー、ダイムラー、フィアット、ルノー、プジョー、シトロエンの固有の要求事項は、IATFのWebサイトで一般公開されています。
必須の5つのコアツール
IATF16949の品質マネジメントシステム構築/運用には、以下の5つのツールを導入し、組織のシステムを効果的に運用することが必要となります。
この点については、IATF16949の審査においても重要視されます。
- 1)APQP 先行製品品質計画及びコントロールプラン
- 2)PPAP 生産部品承認プロセス
- 3)FMEA 故障モード影響解析
- 4)SPC 統計的工程管理
- 5)MSA 測定システム解析
これらを満たすためには、自力での取得挑戦は困難かもしれません。
3.JISQ9100とは?
最近は精密加工会社がJISQ9100を取得して航空宇宙防衛産業に進出されるケースをよく見かけます。
航空宇宙産業における品質マネジメントシステムの規格です。
基本の骨組みはISO9001と同じで、それに航空宇宙産業に必要な要求事項が追加されたものです。 この規格の制定は、次のような経緯によるものです。 航空宇宙産業では、米国防省のMILspec体系が長い間使われていましたが、1994年から始まった米軍の調達改革により、MILspec体系の見直しが行われました。 その結果、品質システム仕様書であったMIL-Q-9858Aも廃止され、その代替規格としてISO9001が使われるようになりました。 しかし、ボーイング、エアバス等のプライムメーカでは、ISO9001のみでは航空宇宙産業の要求を満たすことはできないとして、ISO9001への主な追加要求要求事項には次のようなものがあります。
- ① 形態管理についての要求事項
- ② キー特性についての要求事項
- ③ 異物混入防止についての要求事項
- ④ 初回製品検査についての要求事項
JISQ9100は、ISO9001に航空宇宙産業特有の要求事項を追加したものですから、これらの関係は、次の図のようになります。
このように、JISQ9100の仕組みは、ISO9001と同じ「品質マネジメントシステム」であり、「お客様が、信頼し、安心して取引することができる仕事の仕組みが企業に備わっている」
ことを証明するために、品質に対する取組み方、仕事の仕方、管理の仕方を決めた国際規格です。
JISQ9100の必要性
航空宇宙産業で使用する製品や部品には、その使用目的から厳しい品質管理を求められています。
航空宇宙製品の品質保証の常識を確保するうえにも、航空宇宙産業に関連する企業は、JISQ9100の取得が必要でしょう。
航空機を製造する大手企業では、航空機本体に直接付属する部品、製品を製造する企業に対して、JISQ9100の取得を要求しています。
今後、もし、三菱の中距離ジェット(MRJ)が本格的になってきますと関連企業は、JISQ9100の取得を求められると思われます。
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